12月31日、大晦日の夜にメルセデスの元従業員である38歳の従業員が、スペインのビトリアにある同社の組立工場でバンモデルであるVクラスを50台以上破壊するという狼藉をはたらく事件が発生した。
Mercedes-Benz has fired #Basque worker from work in Vitoria-Gasteiz in the last day of the year 2020 and he has wrecked 50 vans. #NeoLiberalism #CorporateEmpire #angryworker #solidarity #Proletarianism #WorkerClass #langileria #RiseUp pic.twitter.com/IP1nX73PDH
— Irlandarra (@aldamu_jo) December 31, 2020
現地の自動車関連メディアであるPeriodismo delMotorによると、この破壊行為にはショベルカーが使われ、元従業員は道路工事に使用されていたショベルカーを勝手に拝借し、工場までの約21kmを運転してきたのだという。
工場に着くやいなや、元社員は工場の正門を突破し、手始めに敷地内に駐車されていたVクラスを破壊したという。その後、建物に向かっていき、引き戸を破壊していたため、おそらく工場内の組立ラインをも破壊するつもりであったという。
地元メディアによると、元従業員によって破壊された物的損害は合計200万ユーロ(2億5千万円)以上にのぼるという。幸いなことに、狼藉は現場に人がほとんどいない夜に起こったため、ケガ人などはなかった。
この事件の背景には、メルセデスによって実施された新たなシフト計画によると、この工場の従業員を10から15%をリストラするという計画があり、この計画に反対する工場労働者によるデモが頻発していたという。
Noticias de Gipuzkoaによると、メルセデスの労働者がリストラに抗議するために12月18日にビトリアに集結したと伝えており、メルセデスは従業員のリストラを実施する前に代替案を模索していると伝えている。
なお、破壊された多くのメルセデス・ベンツVクラス(商業バン仕様)は360万円(現地価格)〜の価格からで、ハイブリッドパワートレインを搭載したインテリアは快適に運搬できるよう設計されている欧州市場向けの大型、高級バンである。