あまり理解し難いかもしれないが、英国では世界最速のトラクターの記録も最近では非常に名誉ある賞のようである。
2018年に、BBCの人気番組「トップギア」は、イギリスのブランティングソープ試験場でとあるトラクターを走行させ、時速150Km/hを達成、トラクターの最高速における世界記録を樹立した。
今年の夏、オートバイレーサーおよびテレビプレゼンターのガイ・マーティン は、ヨークシャーのエルビントン飛行場で時速166.72Km/hを出せるようにチューンされた「JBL Fastrac 8000」というトラクターでその記録を更新。
しかしながら英国のエンジニアリング会社とマーティンらの野望はそれだけではまだ不満なようで、チームはさらなる記録更新に向け動き始めているという。
10月23日、彼らはエルビントンに戻り、マーティンは手始めに平均速度217.570Km/hを記録し、再度のアタックではこれよりも大幅な最高速度で再更新させた。この時の最高速は、実に247.35Km/hだった。そして現在、地球上で最も速いトラクターとして、ギネスに登録されている。
なお、ドライバーのガイ・マーティンは現在、雪ソリの最高速度134.368Km/h、さらにエンジン等の動力を持たず、原則として重力のみを動力源として走行する車両であるソープボックスで137.78Km/hといった少々変わった乗り物の世界最高速記録を保持しているため、トラクターにとっては異世界の速度域にも問題なく対処できたという。
彼は、「もしそれが少し危険なものであるなら、それは私のすべて。死んでも悔いはないさ。」と語っている。
今回、新しく速度記録に使用されたJBLトラクターは、約1,000馬力と2,500Nmのトルクを発揮できるようにチューンされた7.2リッターのディーゼルエンジンを搭載。
元のCVT(無段変速)ギアボックスは6速トランスミッションに置き換えられ、軽量化を施し、空力も考慮しキャビンも設置されている。
マーティンは「外から見るとトラクターだけど、コイツはモンスターだな。もはや畑作業なんてできないだろw」と語った。
via: ギネス世界記録 公式チャンネル