一般的にカーチェイスはハイスピードになることが多いのに対し、今回のシボレー・マリブの男は追跡中の間、意外にもずっとスロー走行であったという。ロサンゼルス市警察署長であるフアン・ガルシアは、「ヤツが武装しているという報告もあったため、我々は車に対して「※ピットマヌーバ(PIT)」の実行を許可しなかったと述べた。
※パトカーが逃走中の車の右または左後側部に軽く接触させ、遠心力でスピンさせ強制停車させる行為。
速度や状況によっては横転させ容疑者を負傷(または死亡)させてしまう危険も伴うため、専門の資格および技量を持った警官のみ許可される行為。
「我々の規定では、武装していると思われる容疑者に対してPITを行うことは一般的に禁止されているためだ。逆上させて街中で乱射されたら我々だけでなく一般の方にとってもきわめて危険であるからだ。」とガルシア署長は語る。
続けてガルシア氏は、「これまで20年間、6時間という長時間に渡るような追跡など見たことも聞いたことがない。」と付言した。
カーチェイスが始まってから4時間ほど経った頃に、シボレーの左のフロントタイヤに問題が生じたが、警察はそれでも容疑者を止めることはできなかったと述べ、それからさらに2時間して容疑者はロサンゼルス近郊のいくつかの高速道路をゆっくりと走行している最中、左前輪が完全に外れ、オンタリオ付近で警察に投降したという。
逮捕された容疑者には強盗に対する2つの未解決の令状がかけられ、さらに逃走の危険運転の重罪で再逮捕されたという。
source:NBC LosAngels