数週間前のできごとである。イタリアの州警察に首都ローマからパドヴァまで腎臓の緊急高速輸送の依頼が舞い込んだという。
警察はこの依頼について、通例ヘリコプターを用いる空輸で輸送するものだが、これには飛行ルートや天候、またその飛行の承認を得るまで時間がかかるために、臓器輸送といった保冷が必要な「ナマモノ」の輸送と、その緊急性を考慮し州警察に配備されているスーパーカーである、「ランボルギーニ・ウラカン」で輸送することにしたという。
通常、自動車輸送だとローマ〜パドヴァ間の約500km(東京〜大阪間とほぼ同じ)の輸送には4時間以上かかるものであるが、ウラカンは緊急走行と超高速走行により半分の2時間強で行い、平均時速は約230km/hで輸送したという。
警察特権と持ち前の高性能を発揮し、記録的な速さで病院に到着。そしてすぐに腎臓は命を救う手術のために手術室に運ばれた、と現地メディアのEn24は報告している。
州警察はその後、Twitterに今回の輸送について投稿している。
ちなみにイタリアには複数のランボルギーニ・ウラカンのパトカーがランボルギーニ社により寄贈・配備されており、録音機器、ビデオカメラ、VHF警察無線、携行型のCo2消火器、そしてもちろん、今回の臓器輸送といったナマモノの輸送を念頭に置いて設計され、フロントフード内に設置された冷凍システムが備えられている。
今回の輸送について他のタイプの(アルファロメオ・ジュリアやBMW・3シリーズといったウラカンよりスペースがある)パトカーで行われた可能性があるかと言われれば、その距離で平均時速が200Km/hを超える速度域で輸送できるようなハイパフォーマンスな車両は警察にはあるものの、冷凍システムが備わった車両は多くはなく、冷凍システムが重要かつ超高速走行が必要な件に対応できるのはウラカンが理想的な輸送手段として選ばれたのだという。
source:En24
https://www.en24news.com/2020/11/video-italian-police-deliver-kidney-at-230km-h-in-lamborghini-huracan.html