バイクでの事故は車とくらべて命の危機と隣合わせである。
事故は2018年2月18日、起亜・オプティマがロサンゼルスの高速道路で、確認と合図をせずに突然車線変更し、隣の車線を走行していたライダーのマシュー・ラーダに接触。衝撃で飛ばされたラーダはさらに隣の車線を走るトレーラーの側面にぶつかってはね返った後、バイクは火花を散らし彼は路上にたたきつけられた。幸いなことに、後続の別のライダーがドラレコで事の終止をすべて録画していた。そしてこの映像が証拠となり、法廷での訴訟を決着させたのである。
上記の映像にあるように、ライダーが衝突するだけでなく、3本の車線にまたがって貨物が積み込まれたトレーラーにぶつかり、激しく跳ね返るのを見るのは非常に恐ろしいことだ。
ロサンゼルスのニュース、ABC7によると、この事故でライダーのラダは数カ所を骨折する重傷を負い、事故を目撃して停車した人々が通報した救急車で搬送された。その後、彼は2週間の間に数回の手術を受けたのだという。
映像では、このビデオを録画した後続のライダーのほか、上述のように事故を目撃した数台の車両が停止し、彼らは負傷したラーダを救助し、救急車が到着する前にさらなる危害から彼を守っている。
事故の後、オプティマのドライバーと、そのドライバーの会社の雇用者であるカーディーラーに対する訴訟に発展。訴訟に際して、ロサンゼルスの裁判所はこの映像を証拠として、加害者へ2,150万ドル(23億3,800万円)という多額の賠償を判決した。
証拠映像の他として、オプティマのドライバーはカーディーラーの整備士で、修理の途中にも関わらず顧客の車をテスト走行していたとし、そもそもその状況で路上を走行するべきではない、という点も含まれているという。
この件についてラーダの弁護士は、彼の怪我を「人生の転機」と特徴づけている。
事故前のラーダは、グラフィックデザイナーであった。しかし、この事故で彼は利き手を複数箇所骨折したことなどにより、彼はもはやその仕事をすることができなくなった。
裁判は3日間続いたが、裁判官らは提示されたすべての証拠を確認した後、判決を宣言するのにたった2時間しかかからなかった。裁判が開始される前から加害者側はすでに罪を認めており、今回提出されたドラレコの映像からも状況が全て把握できたためだ。本当の裁判の目的は、ラーダの被害状況を正確に確定することだけであったという。
via:Los Angeles Times, abc7
https://www.latimes.com/california/story/2019-12-05/jury-awards-millions-to-motorcyclist-405-freeway-crash
https://abc7.com/traffic/$215-million-verdict-awarded-to-motorcyclist-struck-by-car-on-405/5734046/