今日は改正道路交通法の施行日 「駐車違反」についてのおはなし



2006年6月1日は、駐車違反の取り締まりが民間委託となり、新たに民間の企業に属する駐車監視員が取り締まり業務を行うようになった日である。

◇ 民間企業による駐車違反取締りが開始 

2006年6月1日は、違法駐車対策を目的に道路交通法が改正された日である。それにより、民間企業の駐車監視員による放置駐車違反の確認が強化され、短期間の放置に対しても取り締まりが行われるようになった。

民間委託初日は全国264の警察署において、74の民間企業が取り締まりが行われた。総勢1578人が動員され、早い場合は午前8時からスタートし、遅い場合は翌午前5時まで続いたという。

この改正により違法駐車は激減したといわれている。しかしながら、運送業界ではトラックの積み卸し、福祉業界では介護や送迎などに伴う業務でドライバーが車両を離れなければならず「路上駐車スペースが確保されていないのに取り締まりのみを強化するのはおかしいのでは?」と反発の声もあがっている。

またレンタカー業界も利用客の罰金を肩代わりしなくてはならず、借りた人に対して確実に罰金がいくような対策を求めている。さらに車の保有者を対象に放置駐車への違反金制度も導入され、罰金を納めなければ車検が受けられなくなった。

駐車違反を取り締まる民間企業の従業員は駐車監視員と呼ばれ、みなし公務員(業務中は公務員)で現在は国家資格となっている。違法駐車の確認、違反ステッカーの取りつけ、警察への報告が業務で、違反切符の発行は従来通り警察署が行うこととなっている。

過去は駐車開始から20分など猶予がありましたが、現在はドライバーが不在だと即時ステッカーで警告される。これで出頭しないと1週間程度で警察から郵便物が届き、駐車禁止区域で普通車ならば1万5千円の罰金で、クルマのナンバーに登録されている住所に郵送されるため、ドライバーが誰かという確認まではされない。

罰金は違反切符なしで支払うことになるが、内容に納得できずに警察に出頭すると、即時違反切符を切られるので注意。警察で切符を切られると点数が減ってしまい、ゴールド免許でなくなったり、免許更新の講習金額が30分500円で済むところ1時間800円にアップしてしまう。それを知らずに出頭して切符を切られる人も多いようだ。

そもそも違法駐車すること自体がやってはいけないことであり、郵便物が届いたら必ず反則金を納付し、今後も同じようなことをしないように注意することが大切なのである。

◇ 人が乗ってれば「駐車違反」にならない? 

放置駐車違反金制度の導入以来、世の中の「駐車違反」に対する認識が、なんだかおかしなことになっている。「駐車禁止場所にクルマを駐めても人が乗っていれば違反切符を切られない」と思い込んでいる人が多いようなのである。

これは、警察が鳴り物入りで導入した「放置駐車違反金制度」の悪影響なのである。

左図は東京のとある道路脇に立っている看板だが、運転者が乗っていようと乗っていまいと、駐車禁止場所にクルマを駐めたら駐車違反というのは、もはやあたりまえの話である。それなのになぜ、こんな看板を立てる必要があるのだろうか?

理由のひとつに、とある求職サイトでは「宅急便など、運送車両の助手席に座っているだけの駐禁対策のアルバイト」が堂々と募集されている。配送員がクルマを離れていても助手席に人が座っていれば違反切符を切られない、ということらしい。

これはもう「運転者のみならず子供だろうがなんだろうが、とにかく人が乗ってさえいれば駐車違反にならない」と思い込んでいる人が急激に増えてきたということに他ならないだろう。

「トラック 駐車禁止」の画像検索結果
駐車禁止標識の横に堂々と駐まる宅配便トラック。「放置駐車違反金制度」を逆手に取っているようだ。

その原因は間違いなく「放置違反金制度」にあると言える。確かに、制度の運用にともない導入された「駐車監視員」が標章をつけるのは、無人のまま放置されているクルマだけであり、ドライバーはもちろん、助手席や後席に人が乗っているクルマは全く相手にしない。その様子を見て「なんだ、人が乗っていればいいのか。」と思い込むのも当然なのかもしれないが、それは言うまでもなくとんでもなく勘違い、なのだ。

ちなみに道路交通法第9節、第45条に定められている「停車および駐車」に関する規定は次の通り。「車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない」。どう読んでも「人が乗ってれば問題なし」とは書いていない。

というか、この法律は「放置違反金制度」の導入以前から全く変わっていない。

ところが、2006年に「放置駐車違反金制度」が施行された以降、民間委託された「駐車監視員」がいわゆる「運転手が不在で、直ちにクルマを移動させることができない放置駐車車両」のみを業務の対象としたことから、逆に「運転手が乗車中で直ちにクルマを移動させることができる」場合は駐車違反とはならないという間違った認識が世間に広まってしまったというわけなのである。

◇ 駐車監視員は、人が乗っている駐車車両を取り締まる権限はない

「駐車監視員 京都」の画像検索結果

「駐車監視員」は実は、駐車違反を取り締まっているわけではない。彼らは「放置車両を確認し、確認標章を取り付け、それを警察署長に報告している」だけであり、切符を切るとか、検挙するとかの権限は一切持っていない。つまり、「人が乗ってる駐車違反車両」は元々業務の対象外なのだ。

つまり「人が乗っていれば駐車違反にはならない」のではなく「人が乗っていれば放置駐車違反にはならない」というだけのこと。駐車禁止場所にクルマを駐めていれば状況はどうあれ、従来通りに「駐車違反」であることに変わりはない。

したがって、取り締まりの権限を持つ警察官に見つかればその場で切符を切られても文句は言えない。

ただし、「放置駐車違反金制度」により、警察官自体が駐車違反の取り締まりに熱心ではなくなったとも言えるかもしれない。運転者ではなくそのクルマの所有者から否応なく徴収できる「行政制裁金」は、裁判所や検察が関与することなく、警察が独自に集められる資金ということで、汗水垂らしてノルマをこなす必要がなくなった。

このことも「人が乗っていれば…」という間違った認識に拍車をかけたといえるかもしれない。

 

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