灯火類のお話 「フォグランプ」好きな日本人

先日、夜中に羽田へむかって湾岸線をのんびり流しているとき、これまたのんびり走っている一台の軽自動車。
ヘッドライトはハイビーム全開。おまけにフォグも。
リアのテールもバックアップランプ以外は全開。

社外エアロに組み込まれたバックフォグのまぶしいこと。

目次

◇ フォグランプの使い方、間違ってません?

まあ、国産のKだったのだが、なんで日本人って「フォグランプ好き」なのか。
こと、欧州なんかではフォグランプなんて絶対霧の日以外は点けません。
ヘッドライトが暗く感じるから??単に街灯に集まる蛾のごとく光り物が好きなのか。
純正のフォグランプって点いてるかどうかわからないほど暗いから、わからないでもないが。

そもそも、メーカー曰く、フォグランプなんて、霧という「非常時」に使うもので通常の夜に使うように設計されていないようで。

フロントのフォグで言えば、輸入車場合、あの有名なHellaが作っているフォグランプにも関わらず、点灯し続けると「溶ける」車があるが、メーカー的には「夜間常時点灯するなんて言う設計ではない」と。

つまり、「非常時に必要な以外は使ってくれるな」ということなわけだ。

その名のとおり「フォグ」ランプ、なので濃霧で視界が悪い時以外は使われるなんて思って設計してないということ。

思えば軽量化のため、何もかも軽量プラスチックで作られる灯火類だ。

ヘッドライトカバーですらポリカーボネートという名のプラスチック。
しかしそれに常時熱が加わって負担が掛かりそうな場所はしっかり金属や碍子のようなもので作られている。

それは欧州車全般、アメ車、国産車も同様。

簡単に言うとフォグランプはヘッドライトの補助のランプではない、ということ。

ヘッドライトが暗いと感じるならフォグではなくドライビングランプを利用すべき、ということ。

◇ 後付けする場合は灯火類の法規定に注意

後付けで付ける場合にも注意が。。
車体の最低地上高が90㎜なのはご存知だろう。しかし、灯火類にも最低地上高がある。
フォグランプやドライビングランプはその灯体の下端に「最低地上高」の規制がああるのだ。ウィンカーランプも同様。

補助灯の最低地上高は250㎜。
ウィンカーランプは350㎜。
これをクリアしないと車検に通らない。

ちなみに色は赤以外は問題なし。

欧州車ではデイランプの標準装備が進んでいる関係もあって、フォグランプの装着を見送り、そこにデイランプを仕込むデザインが多くなってきている。

それくらいフォグは。「非常時」用ランプなのである。無くてもOKなくらい。

リアフォグを点けなければならないシーンといえばその名のとおり「霧」の夜間走行の場合のみ。

豪雨やホワイトアウトの時も含まれてもいいか。

◇ 晴天夜間時の常時点灯は大迷惑

少なくとも晴天の夜に使うものではない。
そもそも霧の中での自衛手段なわけで、晴天の夜では後続車に対しても非常に迷惑だ。

本人はかっこいいと思って大満足ご満悦なのかもしれないが。

輸入車の場合はハンドルのある側に1個しかない車がほとんどだからまだいいが、後付の国産車で両サイドについている車なんてブレーキランプ点きっぱなし?ぐらいの迷惑度。

渋滞で後ろに付こうものならブレーキランプと合わさって眩しくて目眩がしてくる。
まぶしいのは当たり前でバックフォグ用のバルブは21W。
ブレーキランプも同じ21W(中には23W)で同じだからだ。

良く考えてもらうとわかるだろうが、あのリアコンビネーションランプユニットの中で夜中に常に点灯し続けるランプはスモールランプの5Wだけなわけで。

これも「夜間常時点灯」なんて設計時に考えられていない。
21Wものランプが点きっぱなしなんて思ってもないわけで。

前述の通り、「霧・荒天」時用のもの。

実際の使用時には雨や霧がレンズを冷やしてくれる。
一応クーリングの穴も開いている。
しかし常時点灯ってことで設計されているわけではないから、リフレクターを含めてオールプラスチック製なのである。

更に良くないのはLED

点きも切れもすぱっとしていて今時車のような感じにできるのはそれはそれでかっこいいのかもしれないが、LEDの球がでかくて重すぎる。
明るくするためにはクーリングが必須。
だからアルミとかの金属のフィン(ヒートシンク)があったりして。
ノーマルバルブと重さや長さを比べてみればわかる。

長ければ長いほど、重ければ重いほど、車の振動で揺さぶられる。
出来の悪い粗悪なソケットは接触不良でスパークおきて端子もろとも溶けてしまう。

◇ 点灯する場合は用途と、後続車や他人に配慮を

所有者自身の車であるから自身で弄る分には自己責任でしょうがないと思うが、こういったリスクもある、自身はご満悦かもしれないが他人は大迷惑という認識でやってもらいたい。

純正の姿が一番、と思うのは年をとったからなのか。。。
設計者の話を聞くととてもつけっぱなしには出来ない。。。

第一、リアコンビランプなんて自分じゃ走っているときに見られないわけで。

せいぜいバックでコンピ二の駐車場に入れたときにコンビニのガラスに映るくらいだろうに。

まあ、フォグランプもしかり、リアバックフォグも付いているものですから使うのはドライバーの意志次第で。
ただし、用途を間違えるとそのものを壊したり、後続車や他人に迷惑をかけたりしている、ってことは理解していただきたいものだ。

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