ETC特集#2 ETC2.0ってなに?



高速道路をスムーズに利用できるETC(Electronic Toll Collection System)。

昨日は主にETCカードと車載器の取扱について取り上げてみた。今回はETC車載器に焦点を当てて、その種類や違い、特徴について取り上げてみたい。

まず、従来の一般的なETC車載器よりも更に進化した「ETC2.0」が2016年の春を境に本格導入された。なんとお上様(国土交通省)が推進しているということもあり、今後はETC2.0の普及がますます広がり、近年はカー用品店でも様々なETC2.0車載器が置かれるようになった。

しかし、高速道路をあまり活用しない人には馴染みがなく、どんなサービスがあるかも分からないのが現状かと思う。今回は「何のメリットがあるのか?」「どんな車載器があるのか」などの疑問と、新しい高速道路交通システムである「ETC2.0」について簡単に見ていきたい。

◇ ETC、ETC2.0について 

ETCとは高速道路における交通システムの一つであり、有料道路を使用する消費者に対して、料金所で停止することなく通過できるシステムである。 Electronic Toll Collection System の頭文字をとってETCと呼ばれており、正式には「電子料金収受システム」と呼ばれる。

過去の高速道路における料金所では、人の手による料金の受け渡しが一般的となっていたが、無線技術やクレジットカードサービスが発展したことにより、混雑解消も含め近年ではETC車載器を搭載するクルマが急激に増加した。

ETCを搭載する利点

ETCを搭載するメリットとして、個々のクルマが料金所をノンストップで通過できるため、高速道路における渋滞の緩和に繋がること、加えてETCの独自のサービスとして道路通行料金の割引制度があり、利用する期間や時間帯によって料金が値引きされることだ。

これらのサービスについては全国の高速道路会社によって値引き率が異なるため詳述しないが、主に「休日割引」と「深夜割引」がある。

ETC2.0(DSRC)とは、ETCの進化版

そして本題の「ETC2.0(DSRC)」だが、これは従来のETCが進化したもので、自動料金収受のサービスはもちろんのこと、ITSスポットでの渋滞回避支援や安全運転支援などの恩恵を受けることができる。

●ETC2.0(新規格)対応の車載器をカーナビに連動させることで、遠方の事故・天気・渋滞情報なども瞬時にキャッチ、即反映。迂回経路まで提示してくれる。
カーナビもETC2.0に対応している機種であることが必要。

●提示された迂回経路を利用すれば、通常のETC割引よりも高速料金が安くなる。(例えば、首都高を避けて圏央道を利用した場合、高速料金が約2割引。対象道路は今後も増えていく予定)

⇒割引についてはこちら

●将来的には、ガソリンスタンドや駐車場、ファーストフード店のドライブスルーで、ETCレーン通過時と同じように自動カード決済が可能に。車に乗ったまま、財布を出さずに楽々支払いができるようになるかもしれない

 

◇ ETC2.0の特徴 

渋滞緩和に貢献すると割引される

従来のETC(1.0)による「有料道路の自動決済」だけでなく、より通信機能がアップしたETC2.0対応の車載器をカーナビと連動させることで、より広範囲かつより細かく正確な情報をリアルタイムで受け取り、ナビに反映させることができる。

この通信機能を使えば、他にも色々なことが可能になる。

 カーナビの5倍!より広範囲の道路状況を把握

これまでのカーナビの場合、ガイドに対応できる範囲は約200kmだ。ETC2.0なら、全国に設置されたITSスポット(※)からの通信を駆使し、最大1000km区画の道路状況をナビに反映させることが可能。より広い区域の渋滞や事故情報、天候などをいち早く知らせ、ベストな経路を提示してくれることで、ドライバーの負担は大きく軽減されるだろう。
画像通信により、現場の状況も一目瞭然。特に長距離ドライバーにとってはメリットが大きいと言える。

道路情報や周辺の観光情報が手に入る

DSRC通信対応のETC2.0車載器と通信するアンテナがITSスポットだ。インターネットを活用した情報システムのため高速・大容量通信で、交通情報や渋滞情報だけではなく、周辺の観光スポット情報や地域情報なども受け取れることが可能。

全国の高速道路他、サービスエリアや道の駅にも設置されており、現在のところその数は1600か所以上だ。今後も新規開通道路をはじめ、スポットは増えていく予定である。

情報を受け取る際は、所定の駐車スペースに停車してETC2.0対応のカーナビにデータを転送するため、スマホなどが手元にない場合は活用してみると良いと思う。高速道路における交通情報サービスは電波ビーコン(2.4GHz)を使用しており、2022年4月以降はETC2.0を活用したITSスポット情報サービスに一本化されるため、これに合わせて車載器を買い替える人も増えると予測されているようだ。

 

◇ ETC2.0のデメリット 

ETC2.0にもデメリットがある。

ETC2.0への移行は、結構お金がかかる

ETC2.0のサービスは、従来のETC車載器では受けられない。つまり対応機種に買い替える必要があるのだが、従来のETC車載器であれば5000円程度から買えるのがETC2.0車載器の場合、価格は数万円からだ。
さらにプラス取り付け料金、セットアップ料金が別途かかり、安い機種でも2〜3万円は必要になる
また、カーナビもETC2.0(ITSスポットサービス)に対応している必要もある。

2015年6月30日までに購入したDSRC車載器は再セットアップが必要

ETC2.0の情報提供サービスはDSRC車載器(専用狭域通信:ITSスポット対応車載器)を通じて行われるため、既にDSRC対応機種を使っている場合は新たに車載器を購入しなくても大丈夫なのだが、2015年6月30日より以前に購入、セットアップを行った車載器の場合、そのままでは新しいETC2.0のサービスを受けることはできない。改めて取扱い店舗へ持ち込み(ETC車載器販売店、カー用品店やディーラーなど)、再セットアップを行う必要がある

「DSRC対応機種だからそのままETC2.0が使える」と思っている人が非常に多い2015年以前のDSRC機器の人は注意されたし。

◇ ETC2.0に対応しているかどうか、車載器の見分け方

自分の車についている車載器がETC2.0に対応しているかどうかは、車載器本体を見てみるとわかる。「ETC」マークの他に、以下の「DSRC」や「ITSスポット」の表記があればETC2.0に対応可能で、新たに車載器を購入する必要はない。

ETC2.0に対応している車載器に付いたマーク

ただし、前述の通り、2015年6月30日より以前に購入、セットアップを行ったものは再度セットアップを行う必要がある

それ以降のものは既に対応済みのため、そのままETC2.0のサービスを受けることが可能。

 

ETC2.0の真価は災害時の緊急対応で発揮

ETC2.0だけが持つ最大の特徴は、災害支援のアナウンスだろう
従来のカーナビでは、緊急地震速報などを受信、ドライバーへの注意喚起を行うことはできたが、ドライバーへの運転支援情報の提供は行われてはいなかった。

だがETC2.0では、緊急地震速報が入った際には「ハザードランプを点灯させ、後続車を確認、車を左側へ、徐行運転を」というアナウンスが流れ、緊急時にはドライバーへ取るべき対応を具体的にアナウンスしてくれる
安全運転支援サービスを搭載しているETC2.0は災害時にその真価を発揮すると言えるだろう。

ETC2.0車載器の購入は数年後が狙い目かも

キャンペーンや限定割引などでETC2.0に変えるべきかどうかを迷う人も多いと思う。
私見となるが、ETC2.0に変えるために、対応した車載器、カーナビなどを、今すぐにわざわざ揃えることはまだ時期尚早かもしれない
仕事で毎日のように高速道路を長距離走行する人以外には、導入に踏み切るのは今後、数年ぐらい様子を見た方がいいだろう

その理由は、3つある。

まず1つは2022年には現在、渋滞情報の配信をしているVICS(ビックス)サービスが終了する。ただ、その2022年までは現在のカーナビシステムが十分使えるので、無理に買い換える必要はないということ。

2つ目は、ETC2.0が高速以外にもサービス展開しそうだということ。5~6年経つと、ETC2.0は、カーナビと連動する運転支援システムと、決済システムが1つになったものになるかもしれないため、再度新たなサービスに対応する機器が必要になって返って費用がかさんでしまう可能性がある。

3つ目に、今後もETC2.0の普及を目的とした導入における優遇措置や助成金が始動する可能性がある。
新しい促進キャンペーンなどが決まった際に改めて検討するのもいいかもしれない。

◇ 従来のETCで十分な人もいる 

ここも前述の通り、ETC2.0を搭載するには、車載器の取り付けによる手数料を含めて2〜3万円ほどの支出が必要となる。したがって、すでにETCを搭載しているドライバーで現状で問題なければそれで十分、不必要と考える人もいる。

今後ETC2.0を活用したサービスは増えるだろうが、基本は「自動料金収受サービス」がしっかり機能していれば問題ないのだ。

現状のETC2.0は消費者側に利点が大きいサービスというより、ビッグデータを活用して交通量を調査したり、交通事故による渋滞の状況を把握するなど、どちらかといえば企業や法人、公共機関側にメリットのあるシステムかもしれない。

料金の割引サービスはすでに当たり前となっているので、ETCの進化により必要なデータを集計し、安全性を配慮したインフラの構築に企業や政府が力を注いでもらうことを期待したい。

 

◇ ETC2.0車載器の紹介 

あらかじめ記しておくが、ETC2.0は、カーナビと車載器を接続し連動させることでその効力を存分に発揮する。各メーカーでは続々と最新モデルのETC2.0対応の車載器を発表しているが、車載機を選ぶ前に、まずは現在車に搭載しているカーナビがDRSCに対応しているか、そして気になるETC2.0車載器と連動できる車載器メーカー・機種であるかの確認が必要となってくるため注意してほしい。

それを踏まえた上で、最新のETC2.0車載器をいくつか紹介する!

パナソニック(Panasonic) ETC車載器 ETC2.0(DSRC) 新セキュリティ対応 【ナビ連動型】 CY-ET2010D

Amazon価格で15,000円程度と、ETC2.0車載器としてはごく一般的か少し安い価格。もちろんカーナビ連動型ETC。Panasonicの「Strada」などの対応ナビと連動可能だ。さらに、ETCを使用するユーザーの決済情報を安全に保護するために、国土交通省は将来セキリュティ規格の変更を予定しているが、 新セキュリティ対応しているので、将来実施されるセキュリティ規格の変更後も安心して使用できる。

カロッツェリア(Pioneer) ETC2.0対応ユニット ND-ETCS1

カーナビ連動タイプのカロッツェリアのカーナビ「サイバーナビ」「楽ナビ」と連動させることにより、ナビ画面上でETCレーンや利用履歴、ETCカードの有効期限の確認ができる。カロナビユーザー御用達のETC車載器。

パナソニック(Panasonic) ETC車載器 ETC2.0(DSRC) 新セキュリティ対応 GPS付 【独立発話型】 CY-ET2605GD

上述CY-ET2010Dの独立発話型。カーナビがなくても、GPS付きのため発話してETC2.0のさまざまなサービスを本製品単体で手軽に受けることが出来る。このタイプなら愛車のナビとのマッチングにとらわれなくて済む、スタンドアロンモデルだ。

以上、カーナビ連動タイプ、GPS付き独立発話タイプの大手のETC車載器を紹介した。この他にも様々なタイプの車載器があるので、もっと気になる方は下記リンクなどで気に入った商品を探してみてはいかがだろうか。

その他ETC2.0車載機はこちら

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